第二講 遊女往生-祇王

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Ⅰ 祇王一家の繁栄と仏の出現                                  【第二回】

権力者清盛の絶大な寵愛を受けた白拍子祇王の物語の発端。まずは、白拍子の起源・芸態に関する敍述を確認し、清盛の寵愛を一身に受けることとなった祇王とその母の語られぬ過去の錬磨、そして、清盛の寵愛を受けることとなった経緯に関する『平家』諸本の異なる記述、さらには、祇王一家の繁栄を羨望する時代の白拍子の生態の一面などを眺める。そして、北陸道加賀国に出自を持つ、舞の芸に非凡な才能を持つ一人の少女の上洛が、祇王の物語のドラマの幕開けとなる経緯を見つめる。第一回は、この少女が天下人清盛の住む西八条の邸に推参する場面まで。

Ⅱ  清盛の変心と祇王の放逐                                  【第三回】

北陸道加賀国から都に進出した仏という名の年若き白拍子は、都で絶大な称賛を獲得し、時の天下人清盛の館に推参する。しかし、祇王に絶対的な寵愛を寄せる清盛はけんもほろろに対面を拒絶、その慘めな退出に深い同情を寄せたのが祇王その人であった。年若き同業の白拍子の心事を思いやり、仏との対面を清盛に懇願、とりなした祇王の温情が、祇王にどのような運命をもたらしたか。清盛・仏の初めての対面の場面から、今回の講義を始める。遊女と権力者、二人の白拍子の行き違う心の葛藤、祇王の物語の核心的なドラマが展開する。

Ⅲ 六波羅蜜と女たちの往生                                   【第四回】

清盛の邸を放逐され、清盛の新たな寵愛人となった仏のつれづれを慰めるために西八条の邸に参上せよという権力者の過酷な命を受けた祇王が、命を賭けてその命を拒もうとした決意も、母とぢの懇ろな説得によって、ついに西八条の邸に参上、落つる涙を抑えて謠った今様は、その座のすべての人々に感涙の涙を流させた。そして、この辛い体験が祇王のみならず母とぢ・妹の祇女をも嵯峨の山里にその身を運ばせ、一向専修に念仏する修道の生活に誘う。嵯峨の山里に訪れた秋の初めのある夕暮れ、今は尼となった祇王ら三人の住む竹の編戸をほとほととたたく音。衝撃的な祇王の物語の結末と、この物語に仕掛けられた往生とは何か、というテーマを読み解く